絵を描いてダイエットして幸せに生きる

イチゴ農家でアルバイトしてきた話4【更生編】

samune

バイト辞めるか人間やめるかどっちか選べ

ハイどーも。管理人のサンマスターです。前回は「はかぎ」について書き記した。少し見直すとあれ、この人間全く屑じゃなくね?だって最初こそうまくいけないけど失敗を認めるし、改善だってするし、不満なんて一言も言ってないじゃん。ただの運が悪かったやつじゃん。とも見える。今回はそんなことないぜというのを書いていこうと思う。

その前に原付に乗る話をしておく。バイト初日。おじさんが自転車で通勤するのを見かねて、原付を貸してくれた。いきなりの公道デビューでびくびくしながら乗ったものの、今となればとてもいい経験になった。

さて、話は少し前後して、両端のマルチ加工の話。実はその前に苗植えをやったのだが、相変わらずトロイ上にあっという間に腰が痛くなったので別の作業をすることになったのだ。はかぎに関してもコロコロに座っているとはいえ、腰は痛いしまだまだ暑いし、足場はぬかるみ泥だらけで、正直気持ちよく作業とはいかなかった。

その他にも、撤花と呼ばれる大きくならないとされる蕾や花を取り去る作業で、でかい実がなる花をとったり、逆に全く手入れできなかったりと散々な仕事ぶりであった。

しかし、当の本人はというとバイトで初めてなんだししゃーないし、お前らの作業速度が速すぎるだけだろ!泥だらけの中よくやっている方だろ!と思っていた。申し訳程度に言い訳すると、初めてのことがうまい行かないのはまぁ理解はできなくないと思うし、おじさんたちの作業の手際の良さは素人目に見てもすごかった。本人たちも、自分たちの作業は普通の農家よりは手際よくやれている自覚はあった。実際おじさんたちは自分と友人が参入する前は、一人当たり1.5反(ハウス3棟分)の作業をしていたので、その化け物具合は察することができる。

ただ、だからと言って雑な気持ちで作業をするのは違うということにまだ気づいていなかった。自分が絵を描くときにいいものにするために一生懸命になるように、おじさんたちも、イチゴをいいものにするために一生懸命やっているのだ。そしてその作業の1部を任されているという自覚が足りなかった。農業に限って言えば、新卒に任される雑用ではなく、ベテランと同じ作業をするのだ。重みが違う。

その結果何が起きたのか。時給1000円分の仕事をしていないとされ、850円に下げられる話となった(もともとは700円になる予定だった)。そこでおじさんからこのバイトの日数を減らすか、このまま続けるかを迫られる。実質首宣告である。

時給850円で農作業やるより楽に稼げるバイトはそこらへんにある。だったら農業やるよりそっちが自分的に楽なのではないか?という農業のつらさを分かっているが故の提案だった。(後になって知ったが、農業バイトの時給はそのくらいが普通らしいね)

ここで伊藤カイジは激しく悩む。ここで引くのは逃げじゃないのかと。理不尽から逃げるのは決しておかしいことではない。一線超えたら即撤退の判断はできる。ただ今回の場合はどうだろうか?きついから逃げるは違うんじゃないのか?このままだとどんな仕事でもきつかったら逃げるのではないか?

その一方で生活の現実的な問題もある。以前、農業者の実態について書いたが、自分の場合は少し異なる。農薬撒きや深夜残業などはないのでその分楽ではある。逆に言えば給料が低いということだ。12月前後に関しては、ほぼほぼ半日で仕事ができなくて悩んだことがある。別のバイトをしようにも突然一日作業が発生したりと、農業ゆえの不安定な作業日程に合わせることができない。

いろいろと悩んだ結果、続けることにした。やっぱりここで引くのは違うと、とりあえずやれるだけやってみようと思うことにした。辞めたら絶対後悔すると思ったのだ。結果として様々なことを学ぶことができた。

そしてやると決めた以上はしっかりと、そしてこれ以上時給が下げられることが無いように必死にならざるを得なくなったというのが、これまでの話である。意識の有無にかかわらず社畜根性やら向上心が養われたといっても過言ではない。

結果論にはなったが、やり切ってよかったと思う。

そんなこんなでこの後、ハウスの組み立てをしようするも、ただただ邪魔になって1週間休み食らったり、藁のトイレットペーパーを運んだりしたけど、特に需要がないと思うので割愛する。

そして話はイチゴの出荷へと移ることとなる。

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