絵を描いてダイエットして幸せに生きる

イチゴ農家でアルバイトしてきた話0.75【準備・参入資金編】

samune

イチゴ農家になるための資格

ハイどーも。管理人のサンマスターです。前回は農家の勤務スタイルについて書けたと思う。農家とは人間の上位種族。無限の体力を持ち、計算高く、不屈の意思を持つ農業にすべてを捧げた者たちの敬称ということが何となく伝わったと思う。その実態を知ってなお、自分も農家へと昇華したいと思った人を自分は素直に尊敬します。しかし、農家に限らず気持ちだけではどうにもならない部分がある。今回は農家になるために必要な条件について参考程度に語っていこうと思う。

※今から話すのは1農家のについての例だからな!参考程度だからな!鵜呑みにするなよ!こんな条件も考えるんだへーくらいで見てね!絶対だよ!独自の解釈で誤解もあるからな!

資格について話す前に、何事においても参入の容易性というのは頭に入れておかねばならない。この敷居が高ければ高いほど周囲から重宝される。つまり儲かるのだ。米や小麦が農地面積のわりに儲からないのはそういう理屈である(まぁ機械化で作業そのものは楽らしいが)。その点イチゴにおいてはこの参入度はそこそこあるので当面はくいっぱぐれないといわれてはいる。

はじめにイチゴを作るにあたって最低限必要なものを書いておく。まずは土地。これで躓く者が後を絶たない。最悪これと苗、レッテルとウレタンマット、パック等出荷用のものさえあればイチゴはできる(質はお察し)。土地については水はけがよく、近くに水を引けるような環境が必須である。また寒暖差が激しい場所が好ましい。なぜならイチゴは温度と日光で赤くなるからだ。寒く曇っている時にイチゴは大きくなる。

土地が確保できたら次にハウスを建てる。よく言われるのが夫婦2人で約1.5反(ハウス3棟分)と言われている。ハウス3棟は暖房の導入時に都合がいい。真ん中に設置し左右に空気の通り道を作ってやれるからだ。ビニールだけでも数万~十数万する。暖房機は何百万。ガソリンだけでも2週間で何十万する。暖房機ははじめはなくてもいいが、冬に全くイチゴが取れず、春先ガバなりして地獄を見ることになるのであった方がいい。ちなみにこのビニールは毎年張り替える必要がある。夏場放置すると紫外線でカピカピになるからだ。

ハウスを建てても外見だけでは意味がない。ハウスの中にポンプや電気、ホースを取り付けなければならない。ホースやポンプは水をやるため。電機はつけることによって、冬場苗に照射する。これと暖房によってイチゴに春と誤解させ安定した出荷量を維持できる。当然これらの工事にもお金はかかるし、ハウスが多いほど倍増していく。また二酸化炭素の発生する機械を導入すると更に出荷は安定する。

後は畝を建てるための道具や土を耕すトラクターがいる。また、苗そのものやポッド、ポッドに詰める土を買わなければならない。間違っても適当な土を詰めてはいけない。炭疽病などの病気になる可能性がある。

これに加え農薬や散布する機械、暑い日の日光を遮る遮光材。イチゴが汚れないようストローマットと畝にかける黒いビニール(これはマルチというらしい。初め何のことか知らんかった)。授粉用の蜂。次シーズンの苗を作る親株があれば、栽培まではやっていけるはず。そのほか細かいものはあったら便利。経営面で必要な手続きはよくわからん。なんなら軽トラだってMT乗用車でも一応代用できる。

ここまで準備できたら作ったイチゴを出荷のためのルートを確保しなくてはならない。困ったら農協へGO。市場へもっていってくれるらしい。自分で独自のルートを開拓するのもあり。開拓方法はしらん。

ここまで整うと、イチゴを育てパックに詰め、出荷しなくてはならない。そのためにはイチゴ摘みに使う台車。イチゴを摘んだ際に並べるケース。イチゴを入れるパック。パックの上に張るレッテルを使うための機械。セロテープに、自分の出荷者番号が記されたセロプリンター。平詰め用の段ボールとレギュラー品用の段ボール。あとイチゴの規格を示すためのハンコが必要になる。出荷者番号については、農協にあらかじめ農業始めますという手続きが必要なのでそこで聞けばいいと思う。また、出荷前のイチゴを保存しておくための冷蔵コンテナも必要。

長々書いたが、これらの道具がそろって初めてイチゴでお金がもらえるようになる。イチゴの相場についてはクリスマス時期に1000~2000円程度。そこからだんだん落ちてきてシーズン終わりには300円程度に下がる。ただこれは市場の需要によって変動するため、クリスマスに合わせてイチゴがなったり、ひな祭りに合わせてなったりすると儲けがうまい。

最終的な初期費用は最低でも一千万は必要らしい。しかもこれは土地は譲り受け。配線工事やポンプ引きを自分で行い、その他道具を手作りし、暖房抜き、苗も交渉で格安で譲り受け、トラクターやハウスを建てる鉄骨を譲ってもらった場合である。業者に頼めば更に費用はかさむ。これで貯金が尽きかけたことがあったというから恐ろしい。

ただ、これは結構まれな例で実際には国からの補助金を出してもらえるの普通のケースでなかには備品以外はすべてそろった状態で始めれる求人も行われている場合があるので、そこらへんは調べる必要がある。その場合でも初期費用として備品や消耗品で400万程度必要になる。また多少指示に従う必要があるためどっちをとるかは自分次第。

さて、ここで参入の容易度についての話に戻る。なんとなく察しているように、イチゴの参入の敷居は高い。手入れも何万本もある木(農家ではイチゴの木と呼んでる)を一本づつ手入れし、リンゴやナシと違いひとつひとつパックに並べなくてはならない。またイチゴは外圧に弱いため、下手な摘み方をすれば出荷前の検査ではじかれてしまう。

そんなイチゴ農家。どの程度の収入か。聞けばハウス1棟(86mだっけ?)最大500万とれる……がそんなことはありえないので6割の大体300万。それが3棟で900~1000万が現実的な収入になる。すげー儲かるじゃん!とお思いのあなた。これは収益なのでここから経費を引かしていただきます。普通ここから6割、めちゃくちゃ要領よくやって4割引かれるので、残った400~600万の利益が手元に残ることになる。月給大体30~50万程度か。ただしこれはベテランの話ではじめは赤字か±0を覚悟しておくこと。

逆を言えば、2代目なんかは初代ほど苦労せず初任給がそのくらいあるから、農家についてのイメージにずれが生じる。

と、ここまでが思いつく限りイチゴ農家になるための資格である。なるのも難しいし、なった後も難しいが慣れると安定する(当然)。前回話したが、なによりやりがいがある仕事ではあると思う。

この話が、これからイチゴ農家を始める人間の一助になってくれたら自分はすごくうれしいです。

次の話