絵を描いてダイエットして幸せに生きる

イチゴ農家でアルバイトしてきた話1【就農編】

samune

俺の名前はサンマスター。ただのゴミ屑さ!

ハイどーも。管理人のサンマスターです。前回人物紹介を終えたので早速書いていこうと思う。ただ、自分の心境の変化を記しておきたいので、初期の自分についてまずは書いていこうと思う。

自分の父は会社員、母は主婦。母はいわゆる典型的な毒親で父は向上心もなく現状維持をこよなく愛するものであった。父の小物臭さはどうしようもなかったが、母の方はまぁ一種の愛情だし、毒親と分かっていればそれなりに気持ちを落ち着けて対処できるよなぁと思いながら、日々の罵声に泣きそうになりながらも生活していた。そういうところも含めてただの一般的な家庭だと思う。そういうわけで子の自分も一般的な考えの人間で、パンが食いてぇからパン屋とかゲームが好きだからゲーム屋とか思いながら、でも結局は言われた通り公務員かそこそこの企業のサラリーマンだろうなぁと思っていた。

そんな中である一つの出来事が起こる。これについてはこれだけでまた書けてしまうような出来事なので割愛する。ただその出来事がきっかけで、失望したとのお気持ち表明や、変人奇人扱い、恥ずかしい目にあったり、人間不信になったり、文字が理解できなくなったり頭に入ってこなくなったりと散々な目にあった。思い出すだけで全身が痙攣したり、涙が止まらなくなったりとつらい時期があった。そんな状況の中、両親は何をしていたのかというと何もしていなかった。父は助けを求めても甘えるなの一点張りで、その裏にめんどくさいことにしたくない、といういかにも小物らしい背中を見せてくれた。母もこの件にはノータッチ。そして当時は受験の時期であったため機械のように国立以外は行かせないといわれ続けた。

この一件で子供は絶対神、親に猜疑の目を向け自分の人生を見つめ直すことになる。大学時代の大半をトラウマ克服と自分の今後の生き方について考えた。幸せな人生って何なんだろう。自分は何がしたいんだろう(それについては今もわからん)。その結果どうなったか。人生に対する考えはいっちょ前なのに能力は無い。いわゆる伊藤カイジの爆誕である。普通、勉強して知識を蓄えていく期間を全く別のことに費やしてきたので当然の結末である。ただ、いままでの生き方のおかげ(せい)で形式通りにやるということは得意であったので、就職活動については拒絶反応が激しつつも、それほど苦労せずそこそこホワイトな企業に内定をいただいた。結局当初の想定通りの人生となってしまったが、ここからそれなりに仕事をこなしつつ、人生やり直していこうと思うことにした。

ここでまた一つの出来事に遭遇する。当時はプログラマーとして採用していただいたが、配属一発目の案件がデスマだったのである。

デスマ。いわゆるデスマーチは遠いブラック企業のことで、いつかは通るものだと思っていたが、まさか就職一年目で遭遇するとは思ってもいなかった。本質を大事にするプログラミングができないマネージャ。メンバ全員が使ったこともない言語でフレームワークを用いる。上司からプッシュ・コミット権限渡されておらず、ないから下さいと言っても、渡しているので早く上げろと延々言われる。数時間ごとにサイレント修正されていく仕様書。丸投げされる担当部分。別部署に助けを求めようものなら教育担当のメンツが潰れると止められ、残業ではなく自主学習をさせられる。「Aの機能を実現するためにAの機能を実装します。そのためにAというプログラミングをしてください」という小泉構文もびっくりの仕様書を前に、「わかりました。それではプログラム設計書はどれですか」と聞き、目の前の紙屑を指さされたことは今でも鮮明に覚えている。

さて、そんな状況下で伊藤カイジはどうなったか。周囲の景色は色あせ、朝起きると頭痛が激しく、ストレスでいきなり吐くようになった。こんな状況でも会社側は、こんな簡単なこともできないなんて今度の新人は無能ですなぁとおっしゃっていた。無能であるのは認めるが、あんたらが言うことではない。前回の経験からやばいと思ったので早々に自分は逃げ出すことにした。この間僅か就職後半年のことである。

職なし。家庭なし。金なし。無敵の人の誕生である。人間おちるときは一気に転がり落ちるもんだなぁと思いつつ、次の職を探すものの、乗り気はしていなかった。ようやく立ち直ったと思った直後に社会の洗礼を受けたのである。それでも探さなくちゃ死ぬしなぁ……。そんな気持ちの就職活動はひどいものであった。これはだめかもしれないと思っていた時、友人から声がかかる。

友人が農家を継いでいたのは知っていて、学生時代、当時はかなりうらやましかった。就職活動しなくていいし、社員が家族だし、めちゃくちゃいいじゃん。あと農業って体動かすだけの仕事なら楽そうでしょ。本当にそう思っていたので、前々から農業をやらしてくれないかと冗談半分で言っていた。そして今の自分の状況を聴き、友人が手を差し伸べてくれたというわけである。後になって知ったのが、もともとそこに修行に来ていた若者がいたらしい。ハウスまで買って農業を始めようとしていたのに、突如やめた。その枠に自分が収まったとかなんとか(あらかじめ知っていればまた違った選択をしたかもしれない……)。

とまぁそんな理由もあったらしいが、そんなことを知らない自分は願ってもない幸運に恵まれたと思った。「よーし、いっちょ世界救いますか♪」と、片手をあげながら歩いていく主人公を自分に重ねながら、農業という戦乱の世に突っ込んでいくのであった。

次の話