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イチゴ農家でアルバイトしてきた話6【血風死闘編】

屍山血河を幾度も超えて僕らは進む

ハイどーも。管理人のサンマスターです。前回はやっぱり作業はきついんだぞということを書き記すことができた。今回はイチゴの出荷ピーク時の話を書いていこうと思う。一般的なイチゴのバイトといえば、恐らくこの部分を指すためバイトをしたいと思う人ならここが参考になると思う。

ピーク時はイチゴ農家にとって地獄の瞬間である。畑を見れば血の池と見間違うほどの赤いイチゴがなっている。つらい、寝れないの二重苦が3月中旬から4月末まで続く。それでいて冬程イチゴの単価が高くないため、精神的にも負荷がかかっていく。出荷量は平均時に比べ2倍から3倍まで増加する。

それでも農家は作業をやめない。頑張れば頑張った分だけもうけが出るからだ。すごいときは1日20万以上の収益が出る。

ただ、今回の地獄は少し質が違った。暖冬の影響で冬にそこそこの量イチゴがなってしまい、ピーク時にそれほどならなかったのだ。じゃあ楽だったんじゃね?というとそんなことはない。やつらは貪欲である。時間が余ればイチゴの手入れを行う。更に今シーズンは新型コロナウイルスの影響により、家にこもってお菓子料理をする人が増え、イチゴの需要が高まり単価がなかなか下がらなかったのだ。

その結果何が起こったのか。出荷終わりギリギリまでそこそこの量と質のイチゴがなり、永遠と地獄の中苦しむこととなった。普通、ピーク中でもなりやむ時期があり、そこで休憩があるのだが今期はそれがなく、本当にずっと働き続けた。例えるなら、いつもの地獄がアイアンメイデンでぶっさされる類の拷問なら、今期は爪剥ぎのようなじわじわくる拷問である。

さすがに百戦錬磨のベテランたちも咳が止まらなくなったり、常時イライラしていたりと体調不良が目に見えて現れていた。25年のベテランたちも今回のような事例は初めてらしい。

それは自分も例外ではない。常にシップとお友達になったり、ストレスで過食になったり、バイト以外の気力がわかなくなったりと満身創痍であった。この時期の記憶はあいまいで正直何があったか覚えていない。ただレッテル張りも常に立ち続けてきつかったというのも覚えている。張っても張ってもイチゴはなくならない。賽の河原ってこんなもんなんだなぁと思った。

また、本業は稼げるために頑張りがいがあるが、バイト君はどこまで行っても時給なため、人によってはこれも苦痛かもしれない。作業内容はともかく、出荷時の勤怠全体を考えると割あっていないという人がいても、自分はそうっすね~()としか言いようがない。

それでも時間は進んでいき、少しずつ出荷終了が近づいていく。そしてそれは自分の任期が終わる瞬間でもあった。

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